今日は北京から大同へ電車で移動。硬座は今回初めてで、文字通りのハードシート(木製のシート)ではと心配していたが、実は日本で言う普通車のことで、シートもクッション入りの座席で全く問題はなかった。この電車は杭州を始発として包当と言う西の彼方まで30時間30分かけて走るので、遅れることが多いようで、この電車も30分遅れて北京に着いた。車内はすごく混んでいた。その理由は無座と言う日本の自由席に相当する乗車券で乗っている人が多いためだ。この人達は空いている席を見つけてはその座席の人が来るまでそこに座るようだ。我々の席も既に誰かが座っていたが、自分たちの席だと言うと、直ぐに退いてくれた。車内では、ひっきりなしに車内販売の売り子が通路を行き来している。隣のボックスではトランプで盛り上がっている。時々、立っている人に席を代わってあげる人がいる。また、初めて会ったばかりの乗客同士の会話も弾んで車内はかなり賑やか。広い中国だから人々はお互いに語り合い、助け合い、仲良くなって分かれていくのかなぁと思いながら、中国人の国民性をしばし観察しながら列車の旅を楽しんでいた。
北京を出て3時間半が経ち、初めて張家口南駅に停車した。4時間ほどが過ぎ、我々の降りる駅が気になり、向かいの女性に「下站大同?」(次の駅は大同?)と聞いて見た。すると、「对」(そうです)と言って笑顔で答えてくれた。それからは、話好きの中国人、盛んに話しかけて来た。もちろん、私の方は中国語学習3週間の腕前なので何を言っているのかさっぱり。いつもの「不会说汉语」(中国語は話せません)と言い、筆談にて話を進めた。大同には何をしにいくのか、どこから来たのか、いつから来ているのかとか矢継ぎ早に聞いてくる。私の方も「中国は旅行で来ている。成都や九寨溝などに行った」と言ったら、中国の景勝地とか、歴史とか、いろいろ説明してくれた。我々が中国に長く旅しているので、「それほど好きなら中国に住んだら」と冗談を言っていた。
こんな具合で時間はあっという間に過ぎ、降車駅の大同が近づいて来た。すると、この女性は「私は南モンゴル地区の記者です。いつでも電話して」と言って名前と電話番号を教えてくれた。まぁ電話しても話が出来ないので・・・と思ったけど快く受け取って、私も宿泊先のホテルを知らせた。これが大陸的な発想なのか、とつくづく感じた。
駅に着き、タクシーでホテルまで行こうとすると、白タクの呼び込みがすごい。どこでもそうであるが、列車、バスが到着するのを狙って旅行者を勧誘する悪徳タクシードライバーが居る。ホテル名を言うと30元と言った。高いと言うと20元まで下げてきた。それに構わずタクシーを止め、乗り込んだ所、この白タクのドライバー(複数)たちがタクシードライバーに何やら声をかけていた。そして、ドライバーはメーターが故障したので降りてくれと言うジェスチュアーをした。多分白タク連中が何か嫌がらせをしたんだろうと思い、そのタクシーを降り、その場を離れ、別のタクシーを拾った。結局18元であった(それほど変わらなかった)
ホテルは雲岡建国賓館、4つ星である。我々は4つ星ホテルに泊まることは少ないが、このホテルは、Tripadvisor雲岡賓館: 朝食が素晴らしかった4つ星ホテルでも人気があり、プールとかフィットネスジムがある(4つ星なら当然かぁ)。そして部屋代が300元/泊(3,900円、朝食付き)。部屋に入ると新しくて広々としており、インテリアもモダン。疲れが癒される瞬間であった。ここに3泊して正解。