まず、手始めにハムロンの丘に行ってみた。
ハムロン丘を登って奥の方にある会場で民族舞踊をやっている。1日2回の講演で時間が決まっている。
民族舞踊の催しは、歌、踊りなどが披露される。
ベトナムの歌や踊りはあまりなじみのない芸能であるが、そこそこ楽しめる。
このような民族舞踊には付き物である観衆飛び入り参加のバンブーダンスもあった。
また、最後には一緒に写真撮影も出来る。
時間が合えばハムロンの丘で民族舞踊を楽しむのも良いかも知れない。
ハムロンの丘は広く、入口からは丘と言うか山を登って行く感じ。
その一角に見晴らし展望台があるので、寄ってみた。ここからはサパの街が一望出来る。(あいにくの天気でしたが)
サパの街には露店商があふれている。少数民族が村からやって来て彼らの作った手芸品を売っている。
露店と言うこともあり、その製品は雨の日に濡れ、晴れの日には埃をかぶり、かなりくたびれている。値段は安いが良く商品を見極めた方が良い。
でも、その生活を見て同情してしまうこともあり、衝動買いも度々。
そこに住んでいる少数民族の彼らは、伝統を守りながら昔ながらの生活を強いられており、現状から抜け出せないでいる。彼らの生活のベースは農業であるが、一方で観光客相手に現金収入も得ようとしている。
ところが一方で、少数民族を観光資源として活用する観光開発事業者は、サパにホテル、レストランなどを建設し、開発投資を事業として行っている。そして、観光客に目立つように大きな看板には「少数民族の露店商から物品を買わないようにして下さい。かれらはサパのイメージを低下させています」と書いている。これには複雑な思いがする。(民主国家なら、こうはならないと思うが、共産主義国家の勝手な法律がそういう仕組みを作っているのか)
この看板には一見もっとものように見える内容が書かれているが、本当に少数民族のことを考えて、あるいは少数民族の人々が納得した内容か、疑問を感じる。
共産主義でありながら、資本主義の論理を至る所に適用しているベトナムでは、観光産業も然り。少数民族を観光資源として利用し、彼らのことを置き去りにして金儲けを考えているように見える。
街中ではこのような小さい子供が観光客を相手に物を売ったり、写真の被写体になってお金をもらっている。親から言われてしているのだろうが、小さい子供を背負い、見るからに可哀想な情景である。
「子供を学校に行かせるため、正式な商店から買い物しましょう。現地の人にキャンディやお金を与えないで下さい。彼らを物乞いにさせないため」って言う前に、彼らの生活を考えた観光開発が必要ではないのかと思う。