昨年(2014年)9月26日、スリランカに来てもう半年以上が過ぎ、ボランティア活動も先が見えて来た。
ボランティア活動までの経緯
2013年10月、タイ、スリランカ2か月間の旅から帰って来て、さあ、次は?と考えていたところ、もう少し現地と深く関わりを持ってロングステイが出来ないかとインターネットで探していたところ、シニアボランティアの支援団体を見つけた。早速、会員登録をした。応募には提供できる経験・技術を記入するところがあり、メカトロニクス技術と水処理技術の経験があると記載。その後、しばらくして、電話があり技術者の派遣を要請している国があるとのことで、面接となった。その後、健康診断、家族面接などを経て、昨年2014年9月に現地へ赴いた。
ボランティア活動概要
9月末に活動先であるスリランカ政府機関の職業訓練校へ赴き、10月から活動スタートとなった。現地に入るまでは何をするのかも明確でなく、単にメカトロニクス技術の指導とだけ聞かされていた。
そこで、初めての日、校長先生をはじめ、関係者から何を要望しているのかを聞き出した。そうすると、部門の責任者は、「メカトロニクス技術に関する実習内容を、産業界のニーズに沿ったものにしたい」とのことであった。現状は、ドイツが資本援助してメカトロニクス実習機材を入れているが、実はあまり使われて活用されておらず、メカトロニクスと言っても、PLC (Programable Logic Controller) を教えている状況であった。
早速、要望を細かく分析、具体化して、パワーポイントにまとめた後、校長を始めインストラクター10名ほどを集め、「関係者のヒアリングを通じて得た内容から、このようなメカトロニクス新教材を開発する」と説明した。大筋その内容が了承されたので、その方向で進めることになった。始めるに際して、スリランカのメカトロニクス技術の実態、および卒業生がどの立場で産業界の現場で働いているのかを知る必要があると思い、産業界調査(工場見学)を申し入れた。その結果、卒業生が毎年入る企業を中心に数社への工場見学を実施することが出来た。
スケジュール的には、少し余裕を見た形にしていて、結果的には正解であった。実際、スリランカと日本の仕事の仕方違いで戸惑う部分も多く、また大統領選の影響もあったりして、中々思うように行かなかった。当初は3か月もあれば大丈夫だろうと思っていたが、提出直前に半年に延ばして4月中旬の完成予定としていた。これは私の責任ではないが、今でも実習機材の購買要求書を1月末に提出したのが、全く処理されず2か月遅れても、公知もされていない。(政府機関なので、公知があって、これに応募する形で業者が決まる)
今後のボランティア活動予定
メカトロニクス新教材開発の内容は「プロセス分野へのメカトロニクス技術の応用」と言うタイトルでの座学と実技実習用のマニュアルと実習機材を開発すること。教材開発後は、インストラクターへの説明と実際の学生に指導する要領などを解説することになる。
マニュアルは全て英文にて作成する必要があり、専門用語や技術表現を調べながらの作成で、非常に時間がかかる。約2か月かけ、英文で約70ページの座学用マニュアルを作成した。この中には、MS-EXCELのシート内でPID制御の学習ができる自作PIDシミュレータも含まれている。
スリランカ人と仕事をする時の難しさ
スリランカでは、多くの人がスケジュール感を持っていない。何をいつまでにと言う感覚がない。約束も出来ないし、しても直ぐに反故にされてしまう。こんなスリランカの仕事のやり方を見て、「郷に入らば郷に従え」と、この流れに身を任せる分けには行かず、日本人として、日本人のやり方を見せてやりたかったので、まず目標を明確にし、スケジュールを立て、その通りに実行することを常に心掛けた。思ったことが全て出来たわけではないが、まずまず、計画通りに進んだことで、ホッとしている。
この辺りは、国民性と言うより、季節感のない東南アジアの多くの国に共通した行動パターンではないか、と思うようになった。