フィリピンを安全に旅するには・・・フィリピン安全情報

フィリピンの安全に関する現状

フィリピンと言えば、「怖い、危険な国」などのイメージが強い。犯罪率は日本の10倍、実際どうなんだろう。外務省の海外安全情報のページには下記が書かれています。

フィリピン国家警察(Philippine National Police/PNP)が発表した全国犯罪統計によれば,2018 年(暦年) のフィリピン全土の犯罪発生件数総計は約 47.5 万件であり,このうち,殺人事件は約 7 千件,強盗事件は約 1.1 万件と,殺人事件の発生数は日本の約8 倍,強盗事件は約9 倍となっています。(注:日本の発生件数は暫 定値です。)

外務省海外安全情報より

フィリピンでは銃器の所持が合法的に認められている他、登録切れ,未登録の銃器や密造銃なども多いので、犯行に使われやすいとのことです。

下記は、私が実際に被害に遭った時の報告が含まれています。

日本人の被害例としては,歓楽街等を歩行中,男性2~3 人組に拳銃で脅され,または複数の少年に取 り囲まれ,慌てるうちに財布やバッグを奪われる事件,通勤時,勤務先近くの路上で銃器を持った犯人 に待ち伏せされ,多額の現金の入ったバッグを奪われる事件,また,乗り合わせたジープニーで,拳銃 を持った複数の強盗に襲われる事件等が発生しています。 更に外国人の例ですが,夜間,強盗に遭い,抵抗したり,突然逃げ出したりして射殺されるケースも たびたび起きています。

在フィリピン日本国大使館「安全の手引き」より

対策としては、下記を徹底することです。

★ 窃盗・強盗等の主な予防策

●外出時には,多額の現金,パスポート等の貴重品を持ち歩かない。

●狙いを定めて犯行に及ぶ犯人が多いことから,銀行からの帰り道などは周囲の状況に十分注意する。

●常に手荷物から目を離さない。

●やむを得ず貴重品を携行する際には,1つのバッグに入れず分散して携行する。

●(特に女性は)極力夜間の一人歩きを避ける。

●歩行中は,バッグを車道とは反対側に携帯するよう心がける。(肩掛け式のバッグを,たすきがけにす ることが望ましい。リュックサック式のものは,背後からジッパーを開けられ財布等を奪われること があるので注意。なお,ひったくりの犯人はオートバイを使うことが多いため,常に万一の場合を想 定し,不幸にして被害に遭った場合は抵抗せずバックから手を離す,ということを意識することが肝 要。)

●スマートフォンを見ながら,電話をしながら,音楽を聴きながら等「ながら歩き」はしない。(周囲の 環境の変化に注意力が低下する。)

●移動の際は公共交通機関(LRT,バス,ジープニー等)の利用は極力避ける。

●流しのタクシーは絶対利用しない。(店,ホテル等に呼んでもらう。)

●タクシーを利用する際は,極力複数名で利用し,必ず助手席に座る。

●繁華街や乗り合いバスなど人混みの中では,常に用心し,バッグの中の財布の位置に気をつける(す ぐ出せるところや,ズボンの後ろポケットからスリ盗られることが多い。),また,混雑しそうなエレ ベータやエスカレータなど,身動きのとれなくなりそうな場所はなるべく利用しない。

●人前で財布や高価そうなタブレット端末等を可能な限り見せない,または使わないようにする。

●万一被害にあった際は,相手が凶器を持っていることを想定して抵抗せず,また,急いでバッグやポ ケットに手を入れたり,走り出したりするなどの突然の挙動を避ける。

●見知らぬ人に軽々について行かないよう,また提供されたもの(飲食店等においては,自分が注文し たものではないもの)を不用意に口にしないよう心がける。

外務省海外安全情報より

フィリピンを安全に旅行するには

以下に、私自身の経験も踏まえて、フィリピンの安全情報危険情報)と行動の注意点について以下に説明します。

フィリピン空港到着時の注意

フィリピンのマニラ空港に到着してホテルまで行くには、ピックアップの手配をしていない場合、流しのタクシーでなく、タクシー会社の受付カウンターで 、行き先を告げ,手配を依頼すること。

特に夜間の空港到着は、 犯罪が起こりやすいこともあるので、十分な注意が必要。

マニラ国際空港では,荷物を車に積み込む際に複数の者に囲まれ荷物を奪われたり,特に夜間,空港から市内への移動中に車両強盗に遭遇するなどの事件が発生しています。

在フィリピン日本国大使館「安全の手引き」より

最近、日本人旅行者が夜間にマニラ国際空港に到着した後、車両でマニラ市内に移動中、突然、銃を所持する犯行グループ(複数の男性の乗った車両)に行く手を塞がれ、旅券、金品を含む貴重品を奪われる事例が相次いで発生しています。中には、空港に到着したばかりの外国人旅行者の乗った車両が強盗団の襲撃に遭い、運転手が射殺され、旅行者が一時連れ去られる(但し、後に解放された)といった事件も発生しています。

外務省海外安全情報2010年08月27日付け

テロに対する注意

フィリピンが治安が良くないと言われている理由のひとつに、イスラム系反政府勢力のテロ脅威がある。

このため、フィリピンのマニラセブの街を歩いていると警官やガードマンがレストラン、ショッピングセンターの前に立っており、出入りする客の持ち物をチェックしている光景をよく見る。

ミンダナオ島にはこのテロ組織の拠点があり、空港近辺での爆破事件などが多発している。マニラなどの都市部にも、テロ爆破の脅迫電話が増えているのが現状。

したがって、我々旅行者は公共施設、公共交通機関施設、レストラン、ショッピングモール、デパート、カフェ、ナイト・クラブ、観光施設など不特定多数が集まる場所に出向くときには、周囲の状況に気を配るなど、特別な注意が必要。

強盗に対する注意

マニラやセブなどの街を歩いていると、小売店では金網で店の前面を覆い、商品とお金の受け渡しのための小さい開口が付いているに気が付く。

また、一般の住宅やアパートメントなども、敷地はお城のように高い塀で囲まれて、ガードマンが24時間警備している。

また、ビーチリゾートでも、特に夜間、海側からホテル等に侵入するケースもあり、有人で監視しているところが多い。

このようにフィリピンでは建物内にいても襲われる危険性があるため、宿泊先を選ぶときには、この点を十分考慮し、安全性の高いホテル、アパートメント、ゲストハウスであるかを確認することが必要。(ホテル、アパートメントの概要に記載されていることが多い)

一方、我々が日ごろ使っているデジタルカメラ、パソコン、携帯電話なども狙われやすい。人前で使っていて、後で尾行してきた犯人に強奪される事件も起きている。

また、女性は、ネックレスなど高価な装飾品を身についけていると、引ったくりに合う可能性が高くなる。

対策としては、人前で電子機器や貴金属など高価な物品を見せない。また、両替時とかで多額の金銭を所持している場合、それを知られないようにすることと、乗り物などに注意し安全な行動を取ることが必要とされる。

窃盗に対する注意

これが我々一般の旅行者が一番遭遇する可能性が高い。貧困層の多いフィリピンではストリートチルドレンも多く、犯罪に利用されるケースがある。

実際に経験した話であるが、道路を歩いていると、子供が物乞いをしながら寄って来た。相手は5~6人で、多くの手が自分の体に向け伸びて来る。それを振り払っている間に、いつの間にかバッグのファスナーが空けられ財布等が盗まれた。

盗まれた財布からは現金だけが抜き取られ、お金は通りに待機していた別の子供が受け取り、即座に逃亡した。これらの動きが一瞬で行われるため気が付いたときはもう遅い。

実際にその子供達を捕まえて警察に付き出したがお金は返ってこなかった。特に子供は少年法で守られており、警察も捜査に限界があると言う。このようなストリートチルドレンを使った犯罪は裏にそれを操る組織があるとのこと。

この国は貧困に苦しむ人たちが多数いる。悲しいことに罪いのない子供達もその影響を受け、犯罪に利用されているケースが多いのは非常に残念な気がする。

最近、フィリピンのマニラ首都圏及びセブ島の繁華街では、日本人旅行者が特定地域(特にマニラ市エルミタ地区、セブ市の通称「マンゴー・アベニュー」など)を歩行中、6~7人組の子供グループに取り囲まれ、小銭等をせがまれて気を奪われている隙に、手提げバッグやウェストポーチの
中から財布を抜き取られる事例が多発しています。在フィリピン日本国大使館及び在セブ出張駐在官事務所には、短期旅行者のみならず現地に長期滞在されている方からも同様の被害報告が寄せられています。

外務省海外安全情報2011年02月01日付け

犯罪から身を守るには

この様にフィリピンでの観光は、自分でしっかりと犯罪から身を守る慎重な行動が重要である。

  • 外出時の一人歩きは昼間でも危険。二人以上での行動がベター。近くでも出来るだけタクシーを利用する。また、外出時は基本手ぶら(何も持っていないことを示す)、バッグを持って出るとしても、バッグには金銭等は一切入れず、万が一取られてもいいものを入れる。お金は必要最小限とし、財布に全てを入れず、小分けにしてポケットに入れる等の対策を取る。
  • 鉄道、バス(路線・長距離とも)、ジプニー、トライシクル(三輪車)、輪タクや渡し船といった庶民の足として親しまれている公共交通手段はスリ・強盗被害が多発しており危険。どうしても乗る必要が出てきたら、バッグ等の持ち物貴重品に十分警戒をする。また乗り物内で財布を見せたり、カメラを出したりしない。
  • 日没後の外出は厳禁、タクシーでの移動も最小限に。
  • ノートパソコン、カメラなど金目になりそうな電子機器は人前で使わない。
  • 物乞いにあった時、絶対にお金をあげてはいけない。一度お金をあげるとより多くの人が集まってくる。人が群がるので更にパニック状態になる。その時、バッグやポケットは完全に無防備になるため、自分のバッグ等貴重品をしっかり守り、その場を早く抜出すのが一番。近くに店があればそこに一時避難するのもいい。また、バッグには南京錠のカギをかけることをお奨めする。
  • 子供と言って油断は禁物。子供達の背後に窃盗グループがあるかもと疑う注意力が必要。

楽しい旅にするには、まず、身の安全確保をまず第一に考えること。それに越したことはない。

(1)渡航者全般向けの注意事項
(イ)基本的な心構え 
(a)人通りの少ない場所やスラム街等、犯罪が発生しやすいと考えられる危険地帯へは立ち入らない。 
(b)夜間の路上の一人歩きは避ける。 
(c)夜間は、空港近くの幹線道路及び高速道路で強盗事件が散発しているので、深夜に到着する航空便を利用する場合は信頼できる出迎えを手配し、また安全な経路を利用する。 
(d)夜間の移動は自家用車か、信頼のできるホテル等と契約しているタクシーを利用する。 
(e)周囲の雰囲気に溶け込めるような服装を選択する。 
(f)犯罪を誘発するような人目を引く振る舞い(人前で大金を見せるような行為、フィリピン人を人前で侮辱したり罵倒したりする行為等)は厳に慎む。 
(g)不必要な大金を現金で持ち歩かない。 
(h)言葉巧みに話しかけてくる人物がいても、これに応じない。 
(i)山間部や地方への旅行は可能な限り控える。やむを得ず旅行する場合には事前に現地治安情報の入手に努め、行動予定を慎重に検討した上で実施する。

外務省海外安全情報2011年02月16日付け

セブで実際にスリの被害に遭ったが、少年法で守られる犯人

私がセブの大通り(マンゴー通り)を歩いている時に財布を盗み取られ時のこと。ひとりの少年と3~4人の少女が私を囲み、少女達がスカーフでウェストバッグを目隠ししている間に、少年がバッグの中から財布を盗り、中から日本円のみを抜き取り、すれ違う仲間に渡して、財布を他の少女に渡しました。

その仲間はジプニーで立去り、少年と少女達は素直に捕まり、廻りの人と協力して警察に連れて行ったのですが、何だかおかしい。

やっと分かったそのカラクリ。少年・少女は未成年のため罪に問われず、直ぐに釈放された。もちろんお金は戻ってきませんでした。

あくる日、私はセブの日本総領事館に行って、今後のため事件について状況を説明しました。下記はその時の記事です。


【参考資料】
外務省海外安全ホームページフィリピン感染・スポット・危険情報
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=013

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