コロンボに着いて、ホテルをまだ決めていなかったので、コロンボ駅にあるツーリストインフォメーションに行った。ところが、これがとんでもない結果となった。
駅を出て左(写真では右側)にツーリストインフォメーションがある。政府と民間の出資会社と言うが、各担当職員は、自分の、または親族の経営するホテルに旅行者を泊めたり、知り合いの車を手配したりして、観光ビジネスをしているのが現実だ。
「予算はいくらぐらい?40、50、60USD?」と聞かれたので、「40USDぐらいで」と答えた。するとホテルNIPPONを紹介してくれ、トゥクトゥクに乗って行くように言われた。
そこまではよかったが、それから「スリランカはどれくらい滞在するのか。旅行の予定は?」と聞かれ、相手の提示する計画に引きずりこまれて行った。地図と写真を見せて、キャンディーでペラヘラを見て、シーギリアで泊まって・・・
そうこうしている内に、ホテル探しで少々疲れていたので、「車とホテルを全てお願いすればこれからの苦労もないだろう」と思い11日間のプライベートツアーに総額125,000ルピー(約96,000円)を支払った。これには、10泊のホテル代、10日間の車チャーター代が入っていた。車をチャーターして宿泊込みで1日約1万円と思えば安いと考えた。内訳で見れば、車チャーターは1日4,200円、ホテルは2人1部屋朝食付きで1泊5,400円程度だった。
しかしながら、良く考えてみると車が必要なのは移動の日と観光の日で、自由行動の日や列車移動の日はいらない。また市内観光などはトゥクトゥクを1日チャーターした方が安い。実際に観光で車が必要なのは6日程度、つまり25,000円程度だろう。
また、ホテルはエアコンつきで4,000~5,000ルピー(3,000~4,000円)も出せばあるので、5,400円(約7,000ルピー)は少々高い。つまり10泊で40,000円程度あれば十分。車と合わせて合計65,000円程度が納得できる価格。ところが、96,000円の費用は、1.5倍となっており、ツーリストインフォメーションの担当職員がいかに吹っかけているのかが分かる。しかも、ホテルはツーリストインフォメーションの担当職員が経営するホテルであることも分かり、そのホテルに5連泊し、そこを拠点にあちらこちらの観光地を日帰り往復するような計画だった。
コロンボのホテルも含めて全ての旅程を組んでもらい、お金を支払った後、本日宿泊するホテルに向かった。当初紹介してもらったHotel NIPPONはエアコン付きの部屋が満室のため、他のホテルを2~3案内してもらい、その中から選ぶと言う話だった。最初に行ったホテルはHotel Ranmuthuで、オーシャンビューの部屋に案内された。ところが、フロアカーペットはまるで道路のような汚れ具合、靴を脱ぐことも出来ないほど。次のホテルへ案内してくれと言った時、「他のホテルも同じだ。もっといいホテルに泊まりたいなら10USDほど高くなる」と言われた。この調子で押し問答が続き、拉致が開かないので、しかたなく、このホテルに宿泊した。結局このホテルの宿泊代として5,300ルピー(約4,100円)を支払ったが、もっとましなホテルはあると思う。ホテルNIPPONもTripAdvisorを見れば、ひどいホテルのようだった。ツーリストインフォメーションでは、人気のないホテルを斡旋し、コミッションを得ているのだろうと思う。
Hotel Ranmuthuはゴール通り沿いのコッルピティヤ駅に近くにありロケーションはいい。部屋からは、インド洋と海岸線を走る鉄道が見える。
WiFiはロビーで可、朝食、エアコン、ホットシャワー付きで5,300ルピー。トリップアドバイザーの評判はイマイチで、泊まる場合は、一度部屋を見てから決めるといいだろう。
トリップアドバイザーでHotel Ranmuthuのクチコミを読む。
ホテルの紹介料を取るのは仕方ないが、2~3のホテルを紹介すると言って、ひとつのホテルのみに連れて行き、他のホテルに行くなら追加料金がいると言ったり、また、担当職員とトゥクトゥクドライバーはグルになっているようで、電話で指示を受けたドライバーがホテルの人と小声で話をしたりして、だまされているような気がした。今後もこんな調子で旅をするのはたまらないと思い、明くる日、苦情を言うためにツーリストインフォメーションへ行った。
ところが、翌日担当職員は休みで居なかった。代わりに他の職員が対応してくれ、内容を話すと、「彼はそんなところがある。自分に都合の良い旅程を立て金儲けしようとしている。直ぐにキャンセルした方がいい。後は私が面倒を見るから」と言い出した。なんだか、客の取り合いのようにも聞こえるし、みな同じことをしているのかもと思った。それにしても渡りに船、早速担当職員に電話をして「全旅程をキャンセルしたい。お金を返してくれ」と言った。
当日、夕方には列車でキャンディーに行くことになっており、そのチケットも前日受領済みだったので、ともかくキャンディーまでは行くしかなかった。担当職員は「昨日とは違い、キャンディーでは、プール付きのいいホテルだから心配ない。キャンディー駅でドライバーが待っているので、そのホテルを見てから判断して欲しい」と言ってきた。しかしながら、これから何があるか分からないので、「いや、二度とあんな目に遭いたくないのでキャンセルしたい」ときっぱりと断った。
結局、担当職員はキャンセルを了承し、翌日、返金のためキャンディーまででやって来た。そして125,000ルピーから既に使用したコロンボのホテル代、キャンディーまでの列車代を差引いた残り金額を受取った。
後になって考えると、このような結果となったのは、自分自身の旅のスタイルを変えたことが原因であったような気がする。ツーリストインフォメーションでの旅程の提示が不十分であれば、もっと内容を確認するべきだったし、即答せず、検討する時間を持てば良かった。おまかせツアーは自分のスタイルではないし、その内容を評価するだけの予備知識もない状況では判断が出来ない。結果的に、後悔・不満が残る旅となることは間違いない。
教訓その4:自分の旅のスタイルを変えるな!