中国での支払では、人民元の現金の他、カードなどを使用するが、実際のところ、どの支払方法が有利なのか、実際に支払った結果から手数料を検証して見た。
使用した支払方法は、下記の4つである。
- 現金両替:日本から持参した日本円を現地の銀行で両替した人民元を使用する。
- ATMで現金引出:国際キャッシュカードで現地のATMより引出した人民元を使用する。
- クレジットカード:日本で発行されたクレジットカードを使用する。
- 銀聯カード:日本で発行された銀聯カードを使用する。
使用実績から手数料をまとめると下表の結果となった。
支払方法と手数料
支払方法 | 使用カード | 手数料 | 100元当り | 備考 |
両替現金 | 両替 | 3.0% | 1,246円 | 日本円を持参するリスク高 |
ATM引出現金 | 新生銀行インターナショナルカード | 4.0% | 1,258円 | 手数料が必要な場合あり |
クレジットカード | P-Oneマスターカード | 1.9% ※1 | 1,221円 | 使用可能な店は少ない |
銀聯カード | 三井住友銀聯カード | 2.5% | 1,240円 | 使用可能な店は多い |
※1)使用したクレジットカードはマスターカードで、他のVISA,JDBカードは1.6%の手数料と記載がある。
今回、支払時の優先度としては、第一にクレジットカードの使用を試み、使用できない場合、銀聯カードを使用した。
いづれも出来ないとき、あるいは小額の支払には現金を使用した。また、現金は銀行での両替を優先し、到着日(夜間)および休日にのみATMから現金を引出した。(ATMによっては取扱手数料が必要となるところもあったが、その金額は不明)
トータルの使用金額は、現金両替45.9%、ATM引出28・1%、クレジットカード21.2%、銀聯カード4.8%の利用率であった。現金両替がもっとも多く、それだけ日本円を持参したことになるが、安全面からキャッシュカードによるATM引出が望ましい。
以上から、中国での旅行では、まず手数料の面で一番有利なクレジットカードを使用する。その次に銀聯カードの使用が有利。そして現金の使用となる。現金は両替とATM引出の方法があるが、日本から多額の円を持出すのは旅行中の安全を考えるとリスクが大きい。したがって、より安全なATM引出の利用も活用したい。
下記に実際に利用したカードおよび両替の実績を示す。期間中の基準レートは11.96~12.11で0.15(±0.6%)の変動があった。
使用実績と手数料の検証
日付 | 項目 | 使用カード | 人民元 | 日本円 | 実質 レート | 手数料 | 基準 レート |
8/21 | 航空券 (麗江-西双版?) | P-Oneマスターカード | 1,236 | 15,256 | 12.34 | 1.9% | 12.11 |
8/22 | ホテル (Orange Hotel) | P-Oneマスターカード | 476 | 5,831 | 12.25 | 1.9% | 12.02 |
8/22 | ATM出金 (中国農業銀行) | 新生銀行インターナショナルカード | 3,000 | 37,563 | 12.52 | 4.0% | 12.04※1 |
8/29 | ホテル (?江之星) | 三井住友銀聯カード | 484 | 6,001 | 12.40 | 2.5% | 12.10 |
8/29 | 両替 (中国銀行) | 現金 | 7,230 | 90,000 | 12.45 | 3.0% | 12.09※2 |
8/29 | ホテル (Orange Hotel) | P-Oneマスターカード | 576 | 7,205 | 12.51 | 1.9% | 12.28※3 |
9/01 | 石林門票 | 三井住友銀聯カード | 305 | 3,774 | 12.37 | 2.5% | 12.07 |
9/01 | カルフール | 三井住友銀聯カード | 44.7 | 553 | 12.37 | 2.5% | 12.07 |
9/03 | カルフール | 三井住友銀聯カード | 60.4 | 748 | 12.39 | 2.5% | 12.09 |
9/04 | ホテル (四季) | P-Oneマスターカード | 976 | 12,014 | 12.31 | 1.9% | 12.08 |
9/11 | ATM出金 (中国建設銀行) | 新生銀行インターナショナルカード | 3,800 | 48,225 | 12.69 | 4.0% | 12.20※1 |
9/14 | 両替 (中国銀行) | 現金 | 4,015 | 50,000 | 12.45 | 3.0% | 12.09※2 |
9/14 | 夕食 | 三井住友銀聯カード | 160 | 1,981 | 12.38 | 2.5% | 12.08 |
9/19 | 夕食 | 三井住友銀聯カード | 120 | 1,486 | 12.38 | 2.5% | 12.08 |
9/21 | ホテル (?江之星) | P-Oneマスターカード | 864 | 10,556 | 12.22 | 1.9% | 11.99 |
9/23 | ホテル (East Asia) | P-Oneマスターカード | 458 | 5,584 | 12.19 | 1.9% | 11.96 |
9/27 | 本 | P-Oneマスターカード | 190 | 2,326 | 12.24 | 1.9% | 12.01 |
9/28 | ホテル (East Asia) | P-Oneマスターカード | 468 | 5,739 | 12.26 | 1.9% | 12.03 |
※1)ATMの手数料が中国農業銀行では無料であったが、中国建設銀行ではいくらかかかっていると思われる(金額不明)
※2)中国銀行の両替時の手数料は当日の他の交換レートから推定し、3%とした。
※3)この日の基準レートだけ高くなっている原因は不明。
【2019/07/11:追記】
現在中国では、支払いにオンライン決済(スマホ決済)が多く用いられており、上記の支払い方法との比較は出来ていない。
また、その後の調べで、次の事実も考慮する必要があることが分かった。
- クレジットカードが使える店は少ない
- 日本国内で比較的良いレートで中国元を購入(現物を郵送してもらえる)出来る
以上のことを考慮して、再検証が必要と思われる。