思えば、昨年スリランカから帰国した後、少しマンネリ化して来た東南アジアの旅行に何か新しい目的のようなものを持てればと探索していた時、海外ボランティアに辿り着いた。そして、約1年後の今、スリランカに到着し、ボランティア活動の第一歩を踏み出すことが出来た。
前日、海外ボランティア支援組織の事務所に寄りパスポートとVISAを受取って、成田で一泊した。そして、翌日、成田空港からコロンボへの直行便(スリランカ航空)にて出発した。
フライト時間は約9時間で長かったが、その間、飲み物サービス、機内食など2回あった。適度なアルコールとともに、エンターテイメントを楽しんだり、ウトウトしたりしながらの9時間は、以外に快適に過ごせたと思う。
空港到着時、ロビーには、現地コーディネーターの方が出迎えに来てくださった。スリランカには現地コーディネーターの方が2名おられ、ともにスリランカ人でありながら、日本語は堪能、何ら言葉の不自由を感じることもなくホテルまで連れて行ってくださった。
ボランティア活動を始めるにあたり現地コーディネーターから最初にアドバイスを受けたのは、「スリランカでは日本と違って物がないため、現地の人は苦労しながらやっている。これまでやって来た現地のやり方を否定して日本のやり方に置き換えるのでなく、尊重・理解してあげることが大切である」だった。その意味は、これまで満足な機械や道具がない状況で、努力してやって来たことを真っ向から否定し、新しい日本のやり方を押し付けるのではなく、現地のやり方を尊重し、相手の立場での理解が必要であり、それがないと、派遣先の人とうまく馴染んで行かないだろうと言うことである。
「日本のやり方を教えに来たのだから、それで良いだろう」と考えたいところであるが、学校で教えている先生からソッポを向かれてはせっかく新しい方法を導入しても将来的に根付かない。先生と一緒になって学校全体で変えて行くように工夫すべきだろうとの趣旨である。我々の任期は最長2年だが、学校には毎年若い生徒が入って来る。彼らが、我々の教えを将来的にも享受するには、そうしていくのが本来の目的であると言える。
また、派遣先の要望とボランティアがマッチしていない場合もあるようだ。「こんなはずじゃなかった」「設備・機器が整備されていないので出来ない」など。事前に派遣先の要求とボランティアの経歴を照合しての派遣決定であるが、実際には行ってみて初めて分かることも多い。ボランティアとしては、その点、ある程度の許容が必要であると思う。そこは、日本と違ってスリランカなのだから。
私の場合、これから活動を始めるのであるが、まず、派遣先の要望を聞き、その中で自分が最大限出来ることを提案しながら、相手のニーズに応えて行こうと考えている。ボランティアは会社の業務のように考えるのではなく、相手の要望に沿って自分の力で出来ることを自主的に行うものである。さあ、これから始まるぞ・・・。